いま・むかし

■曲面絵画 ブライアン ウィリアムズ氏
今から5年程前になるでしょうか、高所作業車から写生をする風景画家ブライアン ウィリアムズ氏を知りました。

山あいの集落や比叡山の鬱蒼とした木立をぬけて開ける琵琶湖の大パノラマ、夕日にうすれゆく山並み、穏やかな波がよせては返し葦などの植物が複雑に絡み合い一体をなす水際といった、日本の自然美を描いた絵画作品を通して、人間が自然と調和して営みを続けていた頃の、取り戻すべき「のぞましい」景観を提案してきました。
2007年以降、新しい絵画の可能性を示唆する「曲面絵画」を考案し、自然に包まれる感覚を内包しながら平面の制約から解放された空間の展開と人間が元来より備えている広角な視野にかなった絵画の表現を目指して創作活動を続けておられます。
先日、 ブライアン ウィリアムズ 「満月写生と宴」に参加させて頂きましたので一部紹介させて頂きます。大津サービスエリアから見る琵琶湖を写生されました。

原風景をキーワードに、光・空気・静寂を表現し自然を憂う風景画家の眼で感じる、変わりつつある風景、日本の原風景を描き続けてきたブライアン ウィリアムズ氏の眼に、その変化はどのように映っているのでしょう。「景観は環境の健康をはかるバロメーター」を信条に風景画家の立場から荒らされて行く自然を憂い、自然保護再生を訴えてこられた氏の想いは、現在の「曲面絵画」という形で結実しています。
印刷物では伝えきれない「曲面絵画」の魅力を是非味わって下さい。

ブライアン・ウィリアムズ