会長・社長の50周年記念特別対談
代表就任から現在まで
教育・人事評価システムの充実やIT化の推進に取り組む
—— 会長は会社の相談役のようなポジションではないかと思いますが、社長にとって会長はどのような存在でしょうか。
社長 創業者であるということで、親子であっても先輩であり、見習うべき経営者であり、いろいろなことをできるかぎり吸収したいと思っています。
—— 社長と会長の似ている点、違う点、見習いたいところはありますか。
社長 会長の魅力は考え方が柔軟なところですね。いろいろなところから情報を集めていて、先程の幸福経営にしても自分はがむしゃらに働いてきたが、今はこういう考え方が必要なんだからという柔軟さがあります。頭ごなしにダメだと言うのではなく、そういうこともあるのかと受け入れる謙虚な姿勢があるから、いろいろなことを吸収できて発信できるのではないかと思います。それと見習いたいのは社員に夢を語れることです。
会長 私は本当に楽天的、「アッしまった」ということも多いけど、でもあまり気にしない性格です。そういうところが柔軟な考え方につながっているのかもしれません。伝統とか歴史だけにとらわれていたら革新的なことはできないし、つねに革新的なことを考えないと事業の継続はできないんです。過去にこだわってやっていたら必ず悪くなるし、一旦悪くなりだしたら事態はどんどん悪くなっていきます。しかし、革新的なところを持っていたらズルズル悪くなることはないんです。
今の会社を見ていたら業績もいいし、全体的にうまくいってます。最近ダイセン工業といえばこの業界で有名になっているし、この10年間で成績はぐっと上がったし、借金もなくなったしよくやっていると思います。
—— 会長から見られた社長は経営者としていかがですか?
会長 彼の工学系の頭を使って緻密に経営してると思います。構想もきっちりしているし、社内形態がゴロッと変わりました。論理的にやっていて、新しいものに取り組む時もきちっとみんなの意見を吸い上げて、トップダウンもしっかりしています。私は感覚人間だったけれど、時代がゴロッと変わった今では、ものの考え方も多角的に複雑になっているし、感性や感覚だけではビジネスになりません。私のマネをする必要はないと思っています。
—— お話をうかがっていると、たいへんうまく継承されていると感じます。
社長 昔からいて今も残っている社員は会長に対する信頼が大きく、だから残ってくれたんだと思います。これから会社を大きくしていこう、失敗をしながらも社員に成長してもらおうとすると、そういう成功体験をふまえて一緒に頑張っていける人をどのように増やすのかが課題です。
会長 100年続く企業を目指して柔軟で強靭な体質づくりができるか、これからがまさに正念場だと思います。
私も健康に留意しながら、社長が思い描いているビジョンに向かって社員全員が考えて行動し、仕事を通して幸福度を上げていけるように、これからもできる限りサポートしていきたいと思っています。