会長・社長の50周年記念特別対談

代表就任から現在まで

教育・人事評価システムの充実やIT化の推進に取り組む

  1. 岩崎社長の入社以来から就任までの経緯
  2. 会長時代から変わったこと|自由に意見を出し合い、だれもがチャレンジできる 企業を目指して
  3. 今後の課題と幸福経営|みんなが知恵を出せば、会社が良くなり幸福度が上がる
  4. 会長から受け継ぐこと|つねに柔軟に、変化を恐れず、夢を語り続けること

1. 岩崎社長の入社以来から就任までの経緯

— 岩崎社長は創立40周年に当たる2010年に社長に就任されたわけですが、入社以来就任までの経緯についてご紹介いただけますか。

社長 大学卒業後ダイセン工業に入社して、入社後2年間は設計事務所へ出向していました。戻ってからは京阪支店での勤務などを経て、35歳の時に代表取締役社長に就任しました。

会長 自分でなんでも経験させると基本が身につくというのが私の考えで、例えば支店を任されたら、わからないなりに自分でいろいろやってみる、そうする中でさまざまなことが身についていきます。多分、社長もそうだったと思います。
 オイルショック、リーマンショック、バブル崩壊など落ち込んだことはあっても、この業界はだいたいずっと右肩上がりで、需要はずっと伸びてきていました。ところが、最近になって経営が重たくなりだして、これからいかに生き残っていくかを考えると、かなりいろいろ努力をしないといけない、だんだんと会社経営の重さが増していくと思っています。

— 社長に就任されてからは、人材教育とか、人事評価制度の充実に取り組んでこられましたね。

会長 これは私にはできなかったことで、今、そういう面ではどんどん良くなってきています。そうしないと人は育たないし、ついてこない時代になりました。そこで、評価制度や人事制度を整えて、今までは役職者が一人で引っ張ってきたのを、チームで役割とかを負わせていくようになりました。
 それからIT化の推進、これはずいぶん大きな成果が現れてきました。私はアナログ人間だけど、システム化が必要になる、これなくしてこれからの事業は成り立っていかないということは早くから感じていました。
 土壌というのがあって、当社には昔から “創る” という理念がありました。それがずっと会社全体として、ものづくりや人づくりを進めてきて、会社の形態でも同じことをずっと続けることはなかったんです。基本的には変わらないけれど、毎年、環境も変わるのでなんでもつくり変えるように、同じことはしないようにと言ってきました。IT化を進められたのも、多分そういうところの発想につながっていると思います。

— 会長からこれだけは受け継いでほしいと言われたことはありましたか。

社長 継承の時は特別なことはなかったですが、普段から勤勉、倹約、謙虚ということを言われています。
会長 勤勉・倹約・謙虚は近江商人の基本でもあり、経営者が肝に銘じることだと思います。人間はラクしたい生き物で、苦いものより甘いものが好きです。
 お金を遣うのは楽しいけど、質素倹約はどちらかと言うと楽しくないことです。しかし、これをやっていたら事業がつまずいてもそれほど悪くはなりません。日本人の経営者はわりとそういう考え方の人が多いんです。
 また陰徳善事という言葉のように、いいことをしてもあまりひけらかさないのを良しとしてきました。最近はだまって良いことをする人が少なくなって、ちょっとしたこともひけらかすようになってきましたが、こういう謙虚な考え方も大事だと思います。

2. 会長時代から変わったこと|自由に意見を出し合い、だれもがチャレンジできる 企業を目指して >

  1. 岩崎社長の入社以来から就任までの経緯
  2. 会長時代から変わったこと|自由に意見を出し合い、だれもがチャレンジできる 企業を目指して
  3. 今後の課題と幸福経営|みんなが知恵を出せば、会社が良くなり幸福度が上がる
  4. 会長から受け継ぐこと|つねに柔軟に、変化を恐れず、夢を語り続けること