会長・社長の50周年記念特別対談

代表就任から現在まで

教育・人事評価システムの充実やIT化の推進に取り組む

  1. 岩崎社長の入社以来から就任までの経緯
  2. 会長時代から変わったこと|自由に意見を出し合い、だれもがチャレンジできる 企業を目指して
  3. 今後の課題と幸福経営|みんなが知恵を出せば、会社が良くなり幸福度が上がる
  4. 会長から受け継ぐこと|つねに柔軟に、変化を恐れず、夢を語り続けること

2. 会長時代から変わったこと
自由に意見を出し合い、だれもがチャレンジできる企業を目指して

社長 社員が健康で働けるようにといったことにも目配りするようになりました。
 今の若い人は仲間同士集まるのがわずらわしいのか、食堂などへ集まったりするのを嫌がって、休憩時間も一人で食事することが多いみたいですね。それでも当社は親睦会などをすると割合多くの人が参加しています。会社がいくらか負担すれば行くが、自前でと言うと行かないのかもしれません。
 意見を言いやすくするということも大事なことで、通常は会議でも上の人が一方的に話すことが多いのですが、意見を言わせるようにとがんばってきました。昔は経営者が「これでいこう」、だめだったらすぐ「変えよう」と引っ張っていったのですが、今はそういう訳にはいかなくなって少人数で意見を出し合うということになりました。

会長 私は打者に例えると打率は1割くらいで、ビジネスとして取り組んだことの9割くらいは失敗しましたが、たまに当たった時はバチッと当たって、弾みがついて、それがずっと会社に残ってきました。
 この頃は失敗しないよう確実に地固めして、決めたことをスムーズにやっていますね。私の時代にはゴロッと変えたりすることが何度もありましたが、今は昔と違います。だから続いていける。企業は100年まで行かないと値打ちがないし、世間に認知されません。時代の流れに乗れず、同じことだけやっていて100年続けることは難しいんです。だから100周年に向かって、今の基本を活かしながら、もう少し違う角度から環境の変化を捉え、タイミングを見ていくのが大事で、そうでないと続かないと思います。

社長 会長が言うように一気に大きく変えるのは難しいです。大きなチャレンジは大きな失敗のリスクもあります。小さなチャレンジであれば失敗も小さくて済むので、小さなチャレンジを積み上げていくことが重要です。みんながチャレンジできるようにというのが今のやり方です。

会長 とはいえ、私から見ると何か及び腰のように見えることもあります。失敗したくないのでやっぱりやめとこうと尻込みする。失敗を恐れずやってみることも時には必要ではないかと思います。失敗したら必ず身にしみつくんです。死に物狂いでやって失敗すると本当にこたえる。そんなことが過去に何度もあったことが財産です。今は経験則として身にしみついています。
 例えば仕事を取りに行く時も、相手の反応を見ないといけないが、これも経験がないとできません。取引のタイミングなども経験則の染みついてる人でないとわからない。決めごとじゃなくてその時その時の相手の反応、相手を観察できる能力とか、それは経験によってしか得られないんです。どんどんチャレンジしてそういう経験を積んでいくのも大事で、そういうクセをつけておかないと、いざという時に瞬時に判断できないのではということを思ったりもします。

—— 大きなチャレンジに慎重な社長を、時には歯がゆく思われることもあるのでしょうか。

会長 私と社長は見方が違うんです。だからいいんだと思います。社長はデータで出してくる。それに対して私の見方はアナログだけど、ちょっと人が気付かないところから見るのがクセになっていて、昔からデータではなくピンポイントでパッと押さえるやり方でやってきたんです。
 私は出社すると会社宛ての封書にぜんぶ目を通すようにしています。ビジネスのヒントになりそうなものかどうか、私には割合直感的にわかるようなところがあります。どんな情報でもつねに社長と共有しておけるようにしておいて、データによる分析を加えながら直感的なひらめきをビジネスに活かしていくことができればと考えています。

3. 今後の課題と幸福経営|みんなが知恵を出せば、会社が良くなり幸福度が上がる >

  1. 岩崎社長の入社以来から就任までの経緯
  2. 会長時代から変わったこと|自由に意見を出し合い、だれもがチャレンジできる 企業を目指して
  3. 今後の課題と幸福経営|みんなが知恵を出せば、会社が良くなり幸福度が上がる
  4. 会長から受け継ぐこと|つねに柔軟に、変化を恐れず、夢を語り続けること