会長・社長の50周年記念特別対談
代表就任から現在まで
教育・人事評価システムの充実やIT化の推進に取り組む
—— 生き残りをかけるため、どのように今後を展望されていますか。
社長 バブル崩壊やリーマンショックということがあってずっと厳しかったのですが、これから大変なのは人が減るということですね。浮き沈みしないように、悪い時でも会社が潰れず成長できるようにしていくというのが今の課題です。
会長 それはもうリーダーシップだけで引っ張れるものではなくなっています。考える人がたくさんいる会社ほど、生き残れるのではないかというところがあって、生き残るために考える人をつくっていかないといけないんです。
昔は夜遅くまで残業していたので不夜城と呼ばれていましたが、今はそういうわけにはいきません。体ではなく頭をつかって考える集団でなければいけないんです。考えて知恵をだして、付加価値を上げてお金を稼いでそれを社員に還元し、備蓄をして、投資する、それが一つのパターンになっています。
これまでの会社経営では利益を上げることが最優先されましたが、今は仕事をすることで幸福感を感じることができないと人が続かない。今、社長はそういうことをしようとしていますが、なかなか幸福度の数値をあげるのは簡単ではないようです。
—— 幸福度のデータをとると、なかなか思ったようにあがらないのですか?
社長 幸福度はあくまで気持ちを測る指標です。もともとこれをスタートしたのは会長の「社員が幸せになれる会社にしたい」という思いがあったからです。
会長 満足度と幸福度がないと誰も頑張れない、それがお金という人もいますがお金だけでは長続きしません。当然給料も大切ですが、仕事に対する満足度、幸福度を上げるとモチベーションが上がり、皆が考えて行動を起こせるようになるのではないかというところで、一つの指標として掲げています。基本は社員を大切にするということで、みんながやる気を持ってがんばろうと思ってもらえるような会社にすることが目標になっているのではないかと思います。
そうすることで、気持ちと報酬という両方がうまくまわっていき、これが100年企業にも続く人材であったり、人が集まってくる会社につながると思います。私はずっと利益を社員に分けろということを言ってきました。業績を社員に数字で示して、「あっ良くなっているんだ」「悪くなっているんだ」ということに気がついてもらえるようにして、それを原動力に変えて行動を起こし結果を出していける会社になればと思っています。
—— リモートオフィスの開設など新しいことも試み ておられますが、働きやすい会社にという思いから でしょうか。
社長 基本的には働き方改革ということで、就業時間を短くしてできるだけ効率よく働くため、いちいち本社に戻ってこなくてもいいように、リモートオフィスを整備していこうということです。今はありがたいことにAIとかコンピュータのソフトで解決できる部分があるので、管理もしやすくなるし、効率化もできるし、そういうことがこれからどんどん増えていくのではないかと思います。昔は支店とか営業所をつくって、人を配置して経費をかけてやってきましたが、今は情報基地となる1拠点があったら十分やっていけるし、そういう流れは避けて通れないと思います。
—— 会長は地域の雇用を創出するとか、地域貢献できる会社にしていきたいともおっしゃっていますが。
会長 地域貢献については、これからは70歳くらいまで働かないといけないということを考えると、年をとってから遠いところへ働きに行くのがたいへんになるし、子育て中の女性も職場が近いほうが安心です。選択肢がないから遠くまで働きに行くしかないけれど、近くに良い職場があればそちらを選択するのではないかと思います。地域にこんなにいい会社があると思ってもらえたら、わざわざよそには行かないのではないでしょうか。事務所ももっときれいにして、誰が見てもすごくいい会社だと思ってもらえるようにしてほしいと思っています。
4. 会長から受け継ぐこと|つねに柔軟に、変化を恐れず、夢を語り続けること >